配布するための必要条件

slashdot.jp「米特許商標庁、MSのFATに関する特許は「有効」と裁定 」
http://slashdot.jp/articles/06/01/11/0449213.shtml
のタレコミ記事に、
「特許料の発生する技術を含むソフトウェアにはGPLを付して配布することができないそうだ」
と書かれている。

誰も突っ込めないとことを見ると、とうとうスラド2ちゃんねる以下のコミュニティになってしまったか。

特許技術を含むソフトウェアを配布したかったら、GPLであろうがなかろうが、実施権が要る。そんなこともわからんのか、こいつらは?

FSFがGPLソフトに期待しているのは、GPLソフト(となるべきもの)を開発する際に、その開発した技術(の一部)について特許をとらないで欲しいということだ。全く別次元の話。

GPLには「あなたは、受領者がここで認められた権利を行使することに関してこれ以上他のいかなる制限も課してはならない。」という項があるので、これによって特許の含まれるソフトウェアはGPLで配布できないと思っている人が(日本では)結構いるようだが、大間違い。

GPLで配布しようと決めるのは「著作権者」であって「開発者」でない。で、特許を取得するのは「特許権者」であって「開発者」でない。

著作権者が「このソフトウェアをGPLで配布しよう」と思ってGPLで配布をはじめたところ、著作権者以外に独立にそのソフトウェア技術に関する特許権者がいることはありうるのは当然のこと。

FSFの期待は、そうはならないように取り計らって欲しいということでしかない。しかし、FSFがそれを「誰に」期待しているのかは、未だ不明確である。(愚かなことに彼らはGPLを規定する際に、著作者と著作権者が一致していることを無意識に仮定しているのだ。)