国賊?

日本国の大臣の権力(行政の及ぶ範囲)は、日本の人(法人を含む)にしか及ばない。当たり前だ。

従って、「誤発注を認識しながら買い注文を出すことは……顧客の注文を取り次ぐのではなく、自己売買部門で間隙(かんげき)をぬって売買するのは証券会社として美しい話ではないと思う」(http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051213k0000e020055000c.html)などと与謝野馨金融・経済財政担当相がいくら発言しようとも、本質的な意味では外資系企業にとっては何の影響も及ばない。

従って、この大臣の要望どおりに事が進んでいたとしたら、みずほ証券の金は、決して国内系企業が救うことはできず、外国企業のみがたかり、従って日本国の資本がミスによって単に外国に流出するのみという、日本国にとっては極めて深刻な損失となったはずである。

こういう国益を敢えて損なうようなことをわざわざ発言する愚かな大臣こそ、「美しくない」。いや、一昔前なら国賊の誹りは免れなかっただろう。平和ボケとはよく言ったものだ。

幸い、国内資本系証券会社のみならず外資系証券会社も、今回の事件で得た利益は、何らかの形で返還することが検討されているということで、屍に集る禿げ鷹のように悪く言われることの多い外資系証券会社は、むしろ結構やることが「美しい」と思う。