孤独な「集団下校」

子供(小学生)を犯罪や交通事故から守るためなどと称して「集団登下校」なるシステムがとられている。本エントリはそれがどんなシステムなのかというケーススタディ

「集団」を形成するのは町ないしは町をいくつか分割したエリア毎である。その集団単位毎に通学路が決められていて、隣の町の集団とは同じ通学路とは必ずしも限らない。

小学校では早朝補習などというようなものは行われていないので、学年や家庭環境が異なっても「登校時刻」は同じなので、そのエリアの児童全員が揃って集団を形成し、登校する。

ところが。

下校時刻は、学年や家庭環境によって異なる。たとえば(学校内)学童保育に行く児童は、「両親が働いている」という家庭環境で、かつ低学年の児童のみである。したがって学童保育から帰宅する時には、登校時と比して少ない人数だけで下校するしかない。

ところが、少ない人数で集団を形成するために、隣合う町の児童たちが一緒になって帰るいうことは決して認めらないのだ。たとえ単独で帰ることになろうとも、定められた通学路を通ることだけが「集団下校」であり、それ以外の下校方法は許されない。したがって、ある町には学童保育を利用する児童が一人しかいない場合、その児童は単独で下校しなければならなくなる。

こうして無理やり、孤独な「集団下校」する児童達は、犯罪や交通事故(低学年児童の夕刻過ぎの単独歩行は車などから視認しにくい)の危険に、わざわざ晒されるのである。しかし、学校はこの集団下校のシステムを、あくまで「安全のため」と称しているようだ。