「放映権」と「放送権」とは異なるものの

何年も前のことになりますが、とあるご贔屓のプロ野球チームが優勝したのを機に、野球ファンをきっぱりやめてしまいました。そしてその後、自分の家ではテレビ放送サービスも新聞配達サービスもやめてしまいましたので、野球の試合などになじみのない生活です。そんなことで、日本のプロ野球事情についてはよくわかりません。

ところで、インターネットではアテネオリンピックのプレーが全く見られないので、それほど興味がない私にとっても、やはりなんだか不満です。特に新聞社のページに掲載されている写真が酷いと思います。日本選手のプレーしてるところはほとんどなく、試合後の写真ばかりなのです。

ロイターなどの写真には、プレー中の写真もあるようなのですが、それらは採用されないようです。プレー中の写真はお高いのでしょうか?とはいうものの、そもそもロイターの写真の質も、私には高いようには全く思えないのです。うーん。

インターネットでは無料かつリアルタイムでオリンピックに触れることはできないのかなぁと思っていましたが、Yahoo!Japanのスポーツニュースでは野球のリアルタイム報告があるのを思い出して見てみましたらば、果たして日本対台湾の試合をリアルタイムに掲示しているではありませんか。

このサービス、ラジオよりも情報量がはるかに少なく、臨場感も全くないのですが、それでもかすかに同じ時間を共有している幻想には浸れます。日本が延長サヨナラを決めたときは、なぜか嬉しかったですね。日本の選手の名前を見ても、どんな選手なのか全く知らないにも関わらず。

インターネットでオリンピックの様子をリアルタイムに知ることができないのは、放映権とかいうものが邪魔してるからでしょう。オリンピックのプレーを撮影し、不特定多数に示すサービスすることが独占的にできる権利(詳細についてはよく知りません)について、とんでもない額で売り買いされているわけです。

さて、Yahoo!Japanは、このオリンピックの放映権を持っているのでしょうか?あくまで想像ですが、おそらく持ってはいないでしょう。野球のスコアに近い貧しい情報をリアルタイムに掲示することは「放映権に含まれていないハズ!」という判断がなされているのではないでしょうか。

私個人も放映権には含まれないはずだと思いますが、権利保持者から見ると少々グレーかも知れませんね。

NBCは7億9300万ドルを払い、米国向けの夏季オリンピック独占放映権を手に入れた <略>

 だが、NBCオリンピックス・コムは、オリンピック映像の独占放送権があるにもかかわらず、系列ネットワークのテレビチャンネルのいずれかが放送した後に一部競技のハイライト部分のみを提供するに留まっている。 <略>

 NBCと提携していない米国のテレビ局は、2分間のビデオクリップを1日につき3本まで放映できる。しかし、NBCの後援を受けていない米国のインターネットニュースのサイトは、競技のビデオの放映を一切禁じられており、記者会見を30分遅れで放映できるだけだ。

 NBCは次のように説明している。「われわれは欧州放送連合およびIOCとともに、一定の地理的領域のみにコンテンツの配給を限定するための実行可能な方法について協議した。IOCは、試合の映像をインターネット上で放映することに関しては誰かに許可を出しているわけではない。一方で、権利保有者とその配信権は、権利保有者の放送領域に限定されている」

ところで、日本のプロ野球に関して、Livedoorが、新球団設立を目指して活動するという報道がなされていました。プロ野球に関心がなかったので、この報道にもあまり気に留めてなかったのですが、Yahoo!Japanの野球のリアルタイム報道の貧しさを見てハタと気づきました。

Livedoorは、プロ野球のインターネット放送を狙っているのではないのですか?

そうに違いないと思って、慌てて検索してみたのですが、そのことを指摘している記事が見つかりません。仕方がないので独りよがりに推測のみで勝手に話を進めてしまいます。

欧州や米国のプロスポーツは、各チームのオーナー団体が放映権を支配しているわけではありません。プロ野球ならプロ野球全体の機構が放映権をコントロールしているらしいです(少々不正確)。

しかし日本のプロ野球は各チームが放映権を持っています。これがために讀賣新聞社や読売放送といったマスメディアとくっついている一球団だけが他のチームとはかけ離れた利益をあげ、高額の年俸で選手を借り集めてチーム間の実力不均衡という問題を発生させているとのことです。チーム間の実力不均衡によって試合内容が一方的になることはもちろん、特定メディアで特定チームの試合しか見れないというヘンテコな現象は、ファンにとってとてもつまらないものです。

さて、Livedoorが、これまで特定マスメディアと組んではいないパ・リーグに入ってがんがんインターネット放送を始めたらどうなるでしょう?

テレビも新聞も手元にない私は、インターネットで放送される稀なるスポーツ番組をきっと見てしまうでしょう。そしてパ・リーグのいずれかのチームをご贔屓にして応援してしまいかねません。いやまぁ、そんなインターネット中毒者は少数派かも知れませんが。

なんだか、急にLivedoor頑張れと言いたくなってきたのでした。